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1998 年度 実績報告書

加茂岩倉遺跡出土品を中心とした同笵銅鐸の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610399
研究機関京都国立博物館

研究代表者

難波 洋三  京都国立博物館, 学芸課考古室, 室長 (70189223)

キーワード弥生時代 / 銅鐸 / 同笵
研究概要

加茂岩倉銅鐸については,97年度末までの調査で8組15個の同箔銅鐸を検出していたが,98年度の調査によってさらに同箔銅鐸がふえ,現在合計13組22個の同箔銅鐸を検出している。98年度の調査で新たに検出した同箔銅鐸は,加茂岩倉36号鐸と岡山県念仏塚鐸,加茂岩倉3号鐸と30号鐸,加茂岩倉14号鐸と33号鐸,加茂岩倉15号錦と伝淡路出土鐸,加茂岩倉13号鐸と鳥取県下坂鐸,以上の5組7個である。このほかにも,同箔銅鐸となる可能性のあるものが数個あり,今後,同箔品の数はさらにふえると考えられる。また,それぞれの同箔の各組内における製作順もかなり分ってきた。現在,鋳造順を推定しうる同箔銅鐸の組は次の通りである。加茂岩倉17号鐸→上牧,加茂岩倉6号鐸→同9号→辰馬419鐸,加茂岩倉22号鐸→同19号→大田黒田鐸→加茂岩倉4号鐸→同7号鐸,加茂岩倉11号鐸→川島神後鐸,陶器鐸→加茂岩倉21号鐸→気比4号鐸,加茂岩倉33号→同14号。
今年度調査した同箔銅鐸の中で特に興味深い資料は,兵庫県中山1・2号鐸とその同箔銅鐸である。この組については,これまで最多の計7個の同箔銅鐸の存在を確認している。そのうちA面は一部に修理による文様の改変はあるものの同じ鋳型面を使いつづけているが,B面は4番目までの鐸と5番目以降の鐸で文様がまったく異なっており部分的にも一致しない。すなわち,4番目を鋳造した後,5番目を鋳造するまでの間にB面の文様をすべて彫り直した,あるいはB面のみ鋳型を新調したと考えられる。このような例はこれまで確認されておらず,同箔銅鐸の研究上,非常に重要な資料である。加茂岩倉出土銅鐸には,文様は異なるが箔傷が一致する個体があり,中山鐸とその同箔品についてのこの推定を踏まえると,これらの例についても同じ鋳型を使うが文様は彫り直した可能性を,今後検討しなければならない。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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