研究課題
(1) 井原西鶴の語彙分析のための基礎資料として、新しい『西鶴全集』の作成に取りかかった。最も信頼出来る版本を選定して、正確な底本を作り、それを基礎にして、語彙索引を作る作業を開始した。まず、版本を写真版で複製し、それを活字化して、対照させる。更に、下欄には、異体字、仮名遣いなどの問題点を注記して、研究の基礎としようとする。『好色一代男』、『諸艶大鑑』、『好色五人女』などの初期浮世草子については、その作業を終了し、続いて他の作品についても作業を継続中である。(2) 以上の本文を、品詞に分解し、それをコンピュータ処理して、データ・ベース化し、具体的な語彙索引の作成作業を開始した。定期的に研究会を開き、個別的な問題点を共同討議しながら、作業の前進を図っている。(3) この研究成果は、第一期として、『好色一代男』、『諸艶大鑑』、『西鶴諸国はなし』、『椀久一世の物語』、『好色五人女』、『好色一代女』の6作品を平成11年度中に出版する予定で、科学研究費補助金「研究成果公開促進費」に申請した。(4) 引き続き、西鶴の全作品について、本文と語彙索引の完成に向けて、共同研究を続け、その完成には、五年を予定している。最終的には、全作品の語彙索引は、CD-ROM化して、研究者に提供することになろう。そのための基礎的な研究も開始している。
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