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2001 年度 実績報告書

初期歌舞伎と沖縄の組踊 -大名屋敷における歌舞伎上演を回路として-

研究課題

研究課題/領域番号 10610437
研究機関国文学研究資料館

研究代表者

武井 協三  国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (60105567)

キーワード初期歌舞伎 / 若衆歌舞伎 / 野郎歌舞伎 / 組踊 / 沖縄芸能 / 玉城朝薫 / 座敷芝居 / 大名屋敷
研究概要

沖縄の組踊は、従来ヤマト(本土)の能楽の影響を受けて成立した芸能と考えられてきた。しかし初期歌舞伎研究者の立場から見ると、これは若衆歌舞伎・野郎歌舞伎時代の歌舞伎の影響を色濃く受けて成立しているように思われる。もしこの考えが正しいとすれば、組踊は初期の歌舞伎の生きた資料ということになり、また組踊から初期歌舞伎の要素を削除すると沖縄の芸能のオリジナルな姿が浮かんでくることになる。本研究はこういった視点にたち、組踊と初期歌舞伎の関係を探ったものである。
組踊は、玉城朝薫がヤマトの能楽を手本にして、享保三年(1718)に創始したものと言われている。若衆歌舞伎・野郎歌舞伎の時代を下限とする初期歌舞伎の時代は天和期(1681〜83)までであり、享保三年(1718)に創始された芸能が、天和末年(1683)までの芸能の影響を受けることはあり得ないというのが従来の見解であった。本研究は、この時代的径庭を越えることに主眼がおかれている。既に研究代表者は「若衆歌舞伎・野郎歌舞伎と沖縄の組踊」(『歌舞伎 研究と批評』20号、平成9年12月)において、組踊の成立時期に疑問を呈することと、玉城朝薫がヤマトで見た歌舞伎は芝居小屋で上演されたものではなく旧態を止めていた座敷芝居(大名屋敷に呼ばれて上演された歌舞伎)であることを指摘し、この時代的径庭を乗り越える試案を発表していた。本研究では、座敷芝居の実態解明に勤め、また組踊の各演目の実演を調査して、この考えを確定した。
これらの成果は、平成12年2月に刊行した拙著『若衆歌舞伎・野郎歌舞伎の研究』(八木書店)所収の論文「若衆歌舞伎・野郎歌舞伎と沖縄の組踊」「座敷芝居の研究」にいったん発表した。また、本研究ではさらに詳細な検討を継続し、新しい資料を加えて私説を補完した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 武井 協三: "江戸の劇空間 -もう一つの劇場-"武蔵野美術. 117巻. 40-47 (2000)

  • [文献書誌] 武井協三: "若衆歌舞伎・野郎歌舞伎の研究"八木書店. 525 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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