研究概要 |
個人所有の形で保存されていた(保存先:Dr Majorie King,Tucson,Arizona)Ida Pruitt Papersの整理に協力する形で、すべての資料をArthur and Elizabeth Schlesinger Library for the History of Women in America,Radcliffe College,Harvard Universityへの搬入前に必要部分をチェックして複写保存することができた。この段階でまず1946-49年の数年間にわたる老舎との『四世同堂』共同英訳作業に関係する大量の書簡を発見することができたので、従来不明のままであった二人の共同作業の実態と老舎の第三部執筆経過のかなりの部分を解明する手がかりを得た。この成果を元にして、99年2月に北京で開催された『老舎生誕百周年国際研討会』において、口頭発表と論文提出を行った。またこの論文執筆過程、及びその後の修正過程でDr Marjorie Kingのレビューを受けて、Indusco参加以降(1930年代後半)、とりわけアメリカ時代のIda Pruittについて貴重な指摘と批判を得た。またA Daughter of HanやA China Childhoodの修正原稿及び未採録原稿もIda Pruitt Papersの中に一部保存されており、既出版書籍版との異同を検証する作業を行った。またAnna Sewardの原稿や News Clippingの整理や分析も同時に進めて、19世紀中国におけるキリスト教伝道事業研究の基礎資料とすることができた。 平成11年度の研究経過 前年度のIda Pruitt Papers整理作業を受けて、中国国内に残されている関係資料(北京協和医科大学、山東神学院、山東省博物館、上海両会図書館等所蔵)の収集と整理を進めるとともに、清末から民初、更には1920-30年代のIda Pruittの活動軌跡を資料的に追うことが主要作業であった。また前年度北京の国際討論会で発表した論文をもとにして7月に早稲田大学で行われた『老舎研究会99年大会』で本研究の一部を公開する機会を得た。清末民初部分のIda Puitt伝記資料に関しては、中国国内での資料収集の第一段階を終えたので、今後はアメリカにある資料と中国国内の資料をまとめて全体としてどのように整理分析するかが課題となる。
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