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2001 年度 実績報告書

18世紀から19世紀にかけてのイギリス文学における旅行記の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610459
研究機関明星大学

研究代表者

笠原 順路  明星大学, 人文学部, 教授 (00194712)

キーワード自然神学(physico-theology) / 自然観照(contemplation of nature) / 崇高(sublimity) / 自我の拡大(expansion of self) / 理神論(deism)
研究概要

本年度はJames Thomson(1700-48): The Seasonsを昨年より一層深く精読し、物質世界(material world)を賛美して造物主を称えることが、それと照応関係にあると考えられていた精神世界(moral world)の調和を称えることにもなるということを、具体的詩行に則して精密に跡づけた。ただし、その造物主とは、完全に現世を超越した存在というより、自然界に偏在する霊としての性格が濃くなること、また、精神世界の方も、人間一般の精神を述べるというよりは、作者の自我意識が刺激されてくる傾向にあることが結論づけられた。これが、まさにロマン主義的自然観照と自我意識の芽生えである。このことは、研究代表者が編者である『地誌から抒情へ--ロマン主義の淵源をたどる』(明星大学出版)のなかに詳述する予定である。(ただし、この書作は、本研究の成果とはしない。)
本研究は、最初は、本研究の題目にもあるとおり、もっぱら旅行記における自然観照と旅行主体者の自我意識の関係を問題にしていたが、結局、徐々に自然神学詩(Physico-theological poetry)的な現実認識が18世紀の自然と自我の問題を考える際に避けて通れないことが分かり、結局は、上記のようにJames Thomson(1700-48): The Seasonsまで遡ったことになる。これで、4年間の研究は、一応終了するが、今回明らかになった問題を、次年度以降の科学研究費補助金に、自然神学詩の研究として、さらに推し進めてゆきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 笠原 順路: "「Persy Bysshe Shelley, "Ozymandias"--文法構造の断片化、そして《時》の勝利へ」"『英語青年』. 第147巻(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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