1.学術情報センターのWWWサーバにヴィクトリア朝文学研究のワークステーションを開設するための基盤として、ディケンズ・フェロウシップ日本支部のホームページ(新着、挨拶、総会、春季、会報、入会、論文、会議、質問、名簿、年譜、伝記、系図、評価、作品、梗概、文献、翻訳、出版の合計20項目)を発信し、支部会員だけでなく外部の研究者が情報処理システムに連結され、独立しても一定の処理が行なえるようにした。 2.支部の会報や会員の論文を電子化してアーカイヴに格納したが、その変換に使用したPDFによって様々なハイパーリンクを埋め込むことができ、それがオンラインジャーナルおよびマルチメディアテクストを作成する布石となった。 3.学会に出席できない会員のために、ワークステーション内にMP3(発表)とPDF(ハンドアウト)のファイルを置くことによって、学会を追体験できるヴァーチャル・コンファレンスを初めて実現させた。 4.『クリスマス・キャロル』の初版本(John Leechによるカラー版の挿し絵つき)を電子化し、ヴィクトリア朝特有の語句や社会背景を理解するために必要な注釈を加え、読者のユニークな読みを誘発するような数多くの文字、画像、音声、映像のファイルをリンクさせたマルチメディアテクストを開発した。 5.開かれたインタラクティヴな多数の網目からなる読みの回路をマルティメディアテクストに設置した結果、ウェッブの迷路に入った読者は(無)意識的にテーマを追ってテクストの出発点に戻ってくることがあり、その意味でウェッブ自体が一つの大きなテクスト、しかも不特定の読者に無尽蔵な読み方を提供するテクストであることが実証された。 6.マルティメディアテクストに自分の注釈および解釈を新たな選択肢として書き加えることのできるフォームを設置することによって、読者はテクストの消費者であると同時に生産者になった。
|