本研究課題は、英語史研究により有効な史的コーパスの構築に向けて、Helsinki Corpusの規模、テキストの種類及び選択の基準、ジャンル分け等の再検討をすることを目的とするものである。 1. 本年度の研究目標と成果 (1) 研究の手順確立のための予備調査--平成10年度前半 ・ Helsinki Corpusを構成するテキストタイプのうち、中英語期の戯曲テキストを対象に、Helsinki Corpusに採録されたサンプルと、テキスト全体、別テキストからのサンプルと比較しながら言語研究を行い、その結果を通じて本研究にふさわしい研究の手順を確立する。 これに関しては、下記の口頭発表により、その一部を公表した。 「言語変異と辞書」(日本英文学会第70回大会シンポジウム「中英語テクストを読む-辞書はどこまで役立つか-」1998年5月) ・ 本研究に必要とされるテキスト(電子化テキストを含む)の収集とそれらの書誌情報のデータベース化を行う。 これに関しては、OCRによるものも含めて、すでにいくつかのテキストを電子化している。また、史的統語論に関連する研究書も収集できた。 (2) 本調査--平成10年度後半 ・ 研究対象の拡大。 これに関しては、現在中英語期および初期近代英語期の戯曲テキストの電子化テキストを編集中である。また、研究成果の公表のための論文2点を執筆中である。
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