研究概要 |
本研究2年度目に当たる平成11年度は、主として、前年度に収集した基礎資料の整理が中心となり、同時に、本科研費交付を得る以前より行われてきた研究会を継続した。 1 基礎資料の拡充・整理 (1)前年度購入した、ドイツで出されている新聞のCD-ROMを用いて、そこから基礎となる資料の抽出・整理を行った。とりわけ、90年代の論争史を概観できるように、Neue Zuricher Zeitung、Suddeutsche Zeitung、Frankfurter Allgemeine Zeitungの3紙から、Maritn WalserとBotho Strauβに関する資料を系統的に集めた。具体的には、関連資料を印字し、ファイルしてゆく作業を進め、また同時にそれを電子ファイルとしても整理保存する方途を模索した。この電子ファイル化によって、キーワード等からの資料チェックが容易になるはずだが、これはいまのところようやく端緒についたところで、次年度以降の課題になる。 (2)インターネットのWWWを通じた情報の系統的な収集を継続した。とりわけ、1999年夏に広範に繰り広げられた、哲学者Peter Sloterdijkの講演に端を発する論争については、網羅的に資料を集めるべく努めた。 2 研究会の継続 上記1で収集・整理された資料を活用して、2ヵ月に1回の割で研究会を継続した。研究代表者・分担者の他にも毎回数名の研究者(都立大学教員、オーバードクター生、大学院生)を迎え、「ペーター・スローターダイクの講演をめぐって」、「ドイツ比較精神史-20,30年代と90年代」、「新保守主義の動向」、「90年代ドイツの知的風土の変遷」他、計8回の研究会を開いた。
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