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2000 年度 研究成果報告書概要

ドイツ・ロマン主義思想における「有機体」概念の社会思想史的意義

研究課題

研究課題/領域番号 10610497
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関神戸大学

研究代表者

水田 恭平  神戸大学, 国際文化学部, 教授 (50093711)

研究分担者 廰 茂  神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10148489)
研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワード有機体 / 崇高 / 悲劇 / 表象 / 合理性 / 物象性 / 日常 / 美
研究概要

我々の研究目的は、ドイツ・ロマン主義の提示した近代への批判的問いとその思想的帰結を、そこでの「有機体」という概念に着目して検討することであった。
1.水田は、芸術思想史的視角から、カント、シラー、ヘーゲルからドイツ・ロマン主義、さらにはベンヤミンに至る流れにおける「有機体」という概念の展開を追った。これにより「有機体」という表象がロマン主義における美的思考の核心的概念であるとともに、この表象が人間の集合的結合形式の問題にも適応され、法や国家、社会をめぐる社会哲学的思考にも融合していったことを、ベンヤミンなどに即して解明した。
2.廰は、社会理論史の視角から、ロマン主義の影響をうけたミュラー、テンニース、ウェーバー、ジンメルなどの社会思想を「有機的」という概念の位置と性格に注目しつつ検討した。社会理論的には「有機的」という概念は、モダンな社会的結合様式に対立するものとして捉えられるが、やがてその観念が、芸術的創造性の契機を重視した「日常」や「生活世界」という概念に一括される過程を、ジンメルを経由したN.アインシュタインにおける「日常」概念の解明などを通じて明らかにした。
こうして美的思考と社会理論における「有機体」という概念が相互に交錯することにより近代社会の機械論的結合様式への批判的原理となり、さらに20世紀のドイツ思想においては美的思考と社会批判のふたつの原理がフランクフルト学派のように一体的に結合するに至る、この過程を、水田、廰の二つの視角からの共同研究は明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 水田恭平: "記憶すべき過去・忘れるべき過去"アジアフォーラム(大阪経済法科大学アジア研究所発行). 7号. 30-34 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 水田恭平: "国語を超えることの困難さについて"神戸大学国際文化学部第4回国際シンポジウム報告書. 4号. 10-12 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 廰茂: "G.ジンメルにおける<社会と美>(その1)"国際文化学研究(神戸大学国際文化学紀要). 12号. 15-37 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 廰茂: "ジンメルと20世紀社会学"社会学史研究. 22号. 1-11 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 水田恭平: "美的思考の解体"ユリイカ. 9月号. 104-111 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 廰茂: "もう一つの「日常」論-N.アインシュタインの「日常」の社会学構想(上)"近代(神戸大学近代発行会). 86号. 1-45 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 廰茂: "G.ジンメルにおける<社会と美>(その2)"国際文化学研究(神戸大学国際文化学紀要). 15号. 31-62 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 水田恭平: "スタイルの政治学 P.53-76(『スタイルの詩学』所収)"ナカニシヤ出版. 294 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 廰茂: "G.ジンメルと20世紀の社会学 P.2-45(『ゲオルク・ジンメルと社会学』所収)"世界思想社. 345 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] MIZUTA,K.: "The deconstructon of aethetic thoughts""YURIIKA". 9. 104-111 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] CHO,S.G.: "Simmel and the Twentieth Century Sociology""Studies on the History of Sociology". 22. 1-12 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] CHO,S.: ""Aesthetics and Society" in G.Simmel's thought (1)""Journal of Cross-Cultural Studies". 13. 1-38 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] CHO,S.: "The concept of everyday life in N.Einstein's sociology""KINDAI (Modernity)". 86. 1-50 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] MIZUTA,K.: "The Politics of Style(p.53-76), In : The Poesy of Style"NAKANISHIYA. 294 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] CHO,S.: "G.Simmel and the Twentieth Century Sociology (p.2-45), In : Georg Simmel and Sociology"SEKAISHISOSYA. 345 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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