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2000 年度 実績報告書

ドイツ映画およびアメリカ映画の形成における<オーストリア映画>の寄与の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610503
研究機関明治大学

研究代表者

瀬川 裕司  明治大学, 理工学部, 教授 (80216514)

キーワードドイツ映画 / アメリカ映画 / オーストリア映画
研究概要

平成12年度においては、オーストリア系の映画人がアメリカで撮った映画作品について研究した。ベルリンのブンデスアルヒーフ、ドイチェ・キネマテーク、ウィーンのオーストリア・フィルムアーカイヴと密接な連絡をとりながら、該当する映画作品を一本でも多く見る努力をし、文献資料の収集・研究につとめた。オーストリア系映画作家の活動は、オーストリアやドイツで映画人として名を成してから渡米した者のそれと、ヨーロッパではあまり実績はないが、アメリカに移ってから大きな業績をなした者のそれとに二分される。前者を代表する存在としては、ジョー・マイ、フリッツ・ラング、マイケル・カーティスなどが挙げられる。ドイツにおいて探偵映画や冒険映画のジャンルを確立したマイは、アメリカでもホラー映画の基礎を築き、ベルリン時代は神話的作品やSF映画で有名だったラングは西部劇映画、犯罪映画に新境地を切りひらいた。オーストリアではスペクタクル映画の専門家として知られたカーティスは、海賊映画から恋愛映画に至るまで、およそ娯楽映画と呼べるものならどんな作品でも器用に手がける職人的監督となった。いっぽう後者の映画人たちとしては、ドキュメンタリーの手法を生かした劇映画を世に送ったフレッド・ジンネマン、<ヨーロッパ的な洗練>の見られるコメディーで一時代を築いたビリー・ワイルダー、政治的に異色なテーマを好んで取り上げ、さまざまな新しい手法を試みたオットー・プレミンジャーらがいる。以上のようなオーストリア系映画人の活動を見ると、彼らがハリウッドにおける冒険映画やミステリーのジャンルを形成した功労者であり、<ヨーロッパ的なもの>を作品にとりこむ配慮をし、また多くの斬新な映画的実験をおこなってハリウッド映画を豊かにした功労者が多いことがわかる。
当研究で得られた成果は、できれば一般書籍のかたちで公表したいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 瀬川裕司: "レーニ・リーフェンシュタール『低地』"「明治大学教養論集」. 332号. 51-87 (2000)

  • [文献書誌] 瀬川裕司: "カフカ映画化の(不)可能性"青土社「ユリイカ」. 33巻3号. 158-169 (2001)

  • [文献書誌] 瀬川裕司: "ナチ娯樂映画の世界"平凡社. 253 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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