研究課題
1999年度は8月に福岡で開催されたアジア・ゲルマニスト会議のジェンダーセクションに広沢と松永が責任者として参加、大貫が表現主義の女性詩人たちの作品を分析する発表を行ったほか、東南アジアのゲルマニストたちとの活発な交流を行った。アジア・ゲルマニスト会議の記録は2000年中に電子出版される予定である。11月には父権制や、カトリシズムと文学との関係を批判的に考察しているオーストリアの女性作家マルレーネ・シュトレールヴィッツ氏を早稲田大学に招き、朗読会を行った。朗読会のあとのディスカッションも大変有意義なものであった。朗読会で紹介された彼女の長編小説『誘惑。』は、2000年度中に松永の翻訳で、「女の創造力」シリーズ(鳥影社)として出版する計画である。12月には研究会を開き、ユッタ、コヴァリクかドイツのフェミニズム雑誌のうち全国展開した「コラージュ」と「エンマ」をとり上げ、それぞれの記事の傾向や発展の経緯を比較した。2年間の共同研究により、20世紀ドイツ文学のさまざまな局面におけるジェンダー論的アプローチの可能性が示された。メンバーのうち3人(大貫・広沢・松永)は2000年秋の独文学会誌「ジェンダー特集」にも参加する予定である。
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