今年度は京都大学圖書館、大阪府立圖書館、東洋文庫、國會圖書館、早稲田大学圖書館、東京大学圖書館を中心に調査を行った。 一部につき28項目を調査するが、期間内に約5000冊を各了し、多観点よりの知見が得られている。その一は刻手名であり、刻手名を有する書籍については、刻手名を手掛りとして刊年、刊地をほぼ特定できるため、その蒐集と整理に努めている。 一昨年には17世紀以降の刻手名一覧を公にした。今年度末には16世紀以前の刻手名一覧を作成する。これによって朝鮮本の研究は大いに進むと期待される。 又現在これ迄得られた科学研究費補助金によって研究した成果を単行本として14年度中に刊行予定である。これは日本における本格的な朝鮮出版文化史の最初の著作である。
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