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1998 年度 実績報告書

第二言語習得におけるリズムパターンの生成と知覚-英語母語話者と日本人英語学習者の比較-

研究課題

研究課題/領域番号 10610521
研究機関順天堂大学

研究代表者

須藤 路子  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (60226587)

研究分担者 松野 和彦  東京大学大学院, 総合文化研究科, 教授 (90029679)
キーワード第二言語習得 / 弱形の聴取 / リズムパターン / 知覚 / 誤聴分析 / 代名詞の知覚 / 音響要因 / 音響分析
研究概要

今回の研究の目的は、英語の冠詞で観測された日本人学習者と英語母語話者の知覚に影響を与えている音響要因の相違が、冠詞以外の弱形においても観測されるのかを観測し、弱形聴取のprimary cueを解明することにある。
日本人英語学習者235名を被験者として弱形の人称代名詞(you,we,he,she)の聴取実験を実施した。言語資料は、200文からなる。音声環境は日本人英語学習者の聴取の困難度に大きく影響することが冠詞の実験から明らかにされているので、検査文は10の異なる音声環境を用意した。分析対象の代名詞とそれに先行する名詞が空欄になっているディクテーションテストが実施された。その結果、代名詞の正答率は平均80%で、“you"が74%で一番低い正答率であり、“she"が89%で正答率が一番高かった。これら4つの代名詞の誤聴分析を行なった結果、この実験における代名詞は、“no-pronoun"以外には、他の人称代名詞と誤って知覚されており、人称代名詞以外の他の弱形と聞き誤ることがないことが観測された。さらに各音声環境における聴取正答率と誤聴分析が行われ、誤聴パターンを観測した。一番正答率の低かったのは、/ps/の環境における“you"の35%であり、正答率の高かったのは、/s/の環境における“she"であった。音声環境が聴取の困難度に大きく影響を与えている要素であることが明らかにされた。また、consonant clusterも聴取に影響を与えていることが示された。さらに日本人の聴取困難度に影響を与えている要因を詳細に観測するため、音響分析を実施した。音響要因の中で、代名詞の持続時間と正答率との相関が観測された。代名詞の持続時間が長い場合、正答率が高い傾向を示した。
Assimilationの程度とvowel reductionの程度が聴取困難度に大きく影響を与えていることが分析から示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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