研究概要 |
<平成10年度研究計画の実施過程と成果について>1 平成10年9月末に,東京の専門家との協議のもと,辞書作成と口承文学資料処理に適切なコンピュータ及びソフトを選んだ。 2 10月にそれらを発注。研究者自身でモトゥナ語の分析済みの語彙データの入力を始めた。 3 12月より,助手を使っての作業を開始。Douglas Oliver教授の著書“A Solomon Island Society"にある語彙資料のチェックと入力を優先的に行う(2月までに入力完了)。口承文学資料は,以前,コンピュータに入力済みのもののチェックと整理を始める。これらのデータの一部を平成11年度出版予定の論文(研究発表の欄参照)の最終稿に利用。 4 平成11年2月にハワイに赴き(私費により出張),Oliver教授から,1938-39年に彼が行った文化人類学実地調査の際の貴重な資料を借り受け,整理を始める。2千枚近い語彙カード,百を越える口承文学テキスト,ブーゲンビル島の他の言語との語彙の比較調査を記録したノート等,厖大な資料である。 5 平成11年3月にキャンベラに赴き,R.M.W.Dixon教授及びAndrew Pawley教授と会い,これまでの分析済みの資料,及びOliver教授の資料を見せ,レビューを受ける。Andrew PawleY教授の勧めに従い口承文学資料処理にShoeboxというソフトを使用することに決定。Pacific Linguisticsの研究者より指導を受ける。(将来は,ブイン語など,隣接言語の資料も同ソフトを使って入力し,ブーゲンビル島のパプア系諸語の比較研究のデータベースとする予定。)また,キャンベラ在のモトゥナ語のインフォーマントの強力の下,Oliver教授の手書きの口承文学資料の分析を始める。 平成11年度は,研究者自身収集の資料と0liver教授の資料の分析・整理を引き続き行う。分析の終わったデータを,助手の助けを借りてコンピュータに随時,入力していくと同時に,それらの資料を,現在出版に向けて書き改めているモトゥナ語の記述文法にも利用する予定である。
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