本研究は3年計画で実施される。本年度はその2年目にあたる。最初の計画では、一年目と二年目の半分でJ.Deeney(1978)Ho-English Dictionary.を打ち込み、二年目の後半と三年目でRamamurti(1938)Sora-English Dictionary.を打ち込む予定であった。ところが、打ち込みのさいに、ホー語に対応するムンダ語、それにもとの辞書にはないヒンディー語訳も同時に打ち込んでいただいたために、それらがすべてわかる特殊技能をもった方に打ち込みをお願いした。そのために、打ち込み用の予算が足らず、またムンダ語とヒンディー語を追加したこともあって、ホー語・英語辞典の打ち込みは予定より大幅に遅れている。そこで、最初の計画の見直しをおこない、本研究の目的をムンダ語とホー語の比較を中心におこなうこととする。表題である『ムンダ語語源辞書編纂のための基礎的研究』であることにはかわりはない。 この変更にはもう一つ理由がある。海外におけるムンダ語語源辞書編纂の共同研究者であるイリヤ・ペイロス氏がリストラのあおりを受けて、メルボルン大学の職を解かれてしまったために、南ムンダ諸語のソーラー語の辞書打ち込み後のコンピューター処理ができなくなる可能性が出てきた。そこで、本研究代表者である私だけでカバーするにはムンダ語とホー語との比較にしぼっておこなう方がよいとの判断した。それも大きな理由である。来年度は最終年度である。ホー語・英語辞典の打ち込みをおえるとともに、ムンダ語・ホー語の比較語彙表を完成させる予定である。
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