本研究は、本研究代表者の長田とオーストラリアのメルボルン大学言語学科ニック・エヴァンス博士、およびイリヤ・ペイロス博士との共同でおこなっている、ムンダ語語源辞書(Munda Etymological Dictionary)を編纂することを最終目的とするプロジェクトの一環として、ホー語とムンダ語のデータベース構築を目指したものである。具体的にいえば、現在出版されている、ディニーン神父編纂のホー語=英語辞書(Ho-English Dictionary)のなかから、4260語彙を抽出し、その語彙についてコンピューターに打ち込んだ。その打ち込む際に、ホー語とムンダ語の両方を知る日本在住のマドゥ・プルティ氏にお願いし、ホー語に対応するムンダ語についても、打ち込んでいただいた。さらに、プルティ氏にはホー語から、ヒンディー語への翻訳もお願いし、ヒンディー語についても、打ち込んでいただいた。したがって、本研究はマドゥ・プルティ氏との共同研究である。 コンピューターに打ち込むだけではなく、その打ち込んだものをいかに印字するか。いかに研究成果として刊行するか。その点については、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の高島淳教授、および峰岸真琴助教授から、多大なる援助をうけた。とくに、高島教授はインド系文字をコンピューターで印字するためのソフトの開発において、世界に類を見ない研究者で、ヒンディー語やムンダ語についてはデヴァーナーガリー文字で打ち出すことができた。また、高島教授のソフトでインデックスも作成することができ、3月31日の期日までには科学研究費補助金基盤研究(C)(2)の研究成果として、出版される予定である。
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