本研究は平成10年度から3年間、科学研究費補助金の助成によっておこなわれたが、当初の予定では、DeeneyのHo-English Dictionaryだけではなく、RamamurtiのSora-English Dictionaryも打ち込み、データベースを構築する予定であった。しかし、ホー語辞典の打ち込みに、予想以上に時間がかかったことと、ホー語の打ち込みのさいに、ホー語と系統的に非常に近い関係にあるムンダ語やヒンディー語の対応語をうちこむことで、ムンダ語語源辞書編纂の基礎的研究の目的は十分達成されるとの判断で、変更した。 具体的には、まずホー語辞典のなかから、研究主体である長田が頻度が高く、ムンダ語との対応語がはっきりとし、あるいはヒンディー語からの借用関係があきらかな語彙をえらんだ。つぎに、その選んだ語彙を、研究協力者であるムンダ語を母語とするマドゥ・プルティー氏に打ち込みをお願いした。そのさい、ホー語に対応するムンダ語やヒンディー語訳も同時お願いし、すべてをコンピューターに打ち込んでいただいた。 その打ち込み作業に2年半を費やしたが、打ち込みがほぼ完成した時点で、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の高島淳教授と峰岸真琴助教授にお願いし、打ち込んだものを本にまとめる作業に取りかかった。両氏には、ムンダ語やヒンディー語については、デーヴァーナーガリー文字による印字を、また巻末にはムンダ語のインデックスをお願いしたところ、コンピューターによる版下を作成していただいた。こうして作成されたものが報告書である。
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