祝勝歌テクストの成立形態(詩人はどのような枠組と目的でテクストを創出したか)に関する安西のテーゼ(『西洋古典額研究』1990年に発表済)の有効性を試す代四論文:『ピンダロスネメア競技祝勝歌第3、1-12:詩人を装う祝勝歌の「私」』を作成した。本論文は、N.3.1-12についての永年の誤解の原因を分析しつつ、その誤解を安西のテーゼを基準とすれば解くことができることを明らかにした。なお、安西のテーゼは祝勝歌の「私」を、これまでの研究の全てが、詩人その人であるとしてきたのに対して、合唱隊の上の仮空の存在だと、理解するべし、とするもの。
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