最も大きな成果は、八戸市立図書館所蔵の小泉八雲資料の全貌があきらかになったことである。これには八雲宛書簡二通が含まれる。その他はセツ夫人が収集した主として新聞記事などの資料が貼ってある。稲垣巌の妻ミドリが八戸の実家に戻るときに、セツ夫人がもたせたものである。更に同様なものがあることが予想されるが、個人的な事情で深くは調査できなかった。報告書に一部収載したが、完全影印版は田中印刷出版から発行される。長谷川武次郎宛の八雲書簡の訳註を作成することによって、長谷川弘文社刊の日本昔噺シリーズへの八雲の関与の事情が明らかになった。 小豆沢八三郎宛の八雲書簡の訳注を作成する過程で、八雲の熊本における引っ越しの年次の新たな確定や様々なことがらを明らかにした。途上で小豆沢の書簡を発見したが、これの訳注は次の研究課題となる。
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