1.関係史料の収集・整理及び翻刻 (1)昨年度に引き続き、各地に散在する未刊行の仙台藩刑事法関係史料を収集・整理する作業を進めた。同時に・幕府及び他藩刑事法との比較を行うため、とくに犯罪捜査段階の幕府法・諸藩法関係史料をも収集・整理した。 (2)こうして収集・整理した史料のうち、大肝入あるいは村肝入の作成と推定される「御用記録書」を、『東北大学法学部法政資料調査室研究資料』30として翻刻した。 2.城下及び農村の捜査機関の分析 (1)犯罪捜査機関を研究する場合、仙台藩においても城下(町方)と農村(在方)に分けて考察する必要があり、今年度は、城下についてはとくに目明しを考察の対象とした。その結果、これまで不明だった目明しの存在始期が、少なくとも宝永7年(1710)まで遡りうることが明らかになるとともに、仙台藩では、幕府と異なり、この目しを公認していたため、そこから諸種の負担が城下町人にかかることになった点を確認した。 (2)在方については、とくに徒者〆役<徒者〆役>^^^<いたずらものしまりやく>に焦点を当てて研究した。いまだその存在始期を明らかにするに至ってないが、これまた大肝入に附属して公的に手当を与えられて活動した機関であり、ために権威を傘に農民に多くの負担を負わせた存在であったことを知り得た。
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