研究課題/領域番号 |
10620010
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
熊田 裕之 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (00195520)
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研究分担者 |
奥 真美 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (30304968)
生野 正剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80128149)
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キーワード | リゾート施設 / ゴルフ場 / 森林 / 原状回復義務 / 附款 / 自然保護協定 / 契約 / 損害賠償 |
研究概要 |
今年度も昨年度に引き続いて、開発工事が中断したまま放置されているリゾート施設の実地調査を行うとともに、その調査および収集した文献を分析、検討することにより、リゾート開発が挫折した場合に、破壊された環境を回復させる法的責任を負わせることができるか、またその法的根拠はなにか、という問題について理論的な検討を加えた成果を公表する機会を得た。 1実地調査 開発業者が工事開始後に資金面で経営難に陥ったために工事が中断されたままになっている熊本県内のゴルフ場予定地に出向いて、工事中断に至るまでの経緯および今後の土地利用計画について調査した。 2法的研究 リゾート施設を建設するために森林の伐採工事に着手した企業がその後事業を放棄した場合に、その破壊された森林を再生すべき責任を企業に負わしうる法的根拠について原状回復義務という視点から考察した。具体的には、まず、森林の原状回復義務を定めた行政法規を総覧した後に、原状回復義務の法的根拠として(1)開発許可の附款、(2)自然保護協定、(3)損害賠償を取り上げ、それぞれの要件・限界について国内法に基づいて研究した。 3今後の研究予定 本テーマに関しては、森林を再生すべきか否かは基本的に土地所有者の権限であるという大前提があるために、リゾート業者に個別的に行政法規により森林の再生を命ずることは難しいので、今後は協定等の契約の効力として破壊された森林の回復を図ることも重要であるとの認識を今回の研究により得た。今年度で科研費の研究期間は終了するが、こうした方向で今後も研究を継続する予定である。
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