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1998 年度 実績報告書

論理実証主義と法学方法論

研究課題

研究課題/領域番号 10620013
研究機関早稲田大学

研究代表者

亀本 洋  早稲田大学, 法学部, 教授 (30183784)

キーワード論理実証主義 / ウィーン学団 / 言語論的転回 / 日常言語学派
研究概要

本研究の目的は、論理実証主義と法学方法論との関係を明らかにすることにあるが、,その準備作業として、本年度は、論理実証主義のウィーン学団の見解(とくにシュリック、ノイラート、カルナップ)を、その言語論に焦点をあてて解明した。それによって得られた新たな知見の主なものは以下のとおりである。
1 いわゆる言語論的転回に関する通説的見解は、それを3つのメルクマール(事実の世界と意志の世界の分離、世界を写しとる透明な媒体としての言語、事実と表象との一致をめざす・普遍的真理への漸進的進歩観)で定義した上で、論理実証主義が言語論的転回前の認識論に立っていると見るが、そのような見方は上の3点のいずれに関しても誤りである。
2 通説的見解に反し、論理実証主義は、基礎主義的認識論を早くから放棄し、規約主義的言語論・認識論と斉合説的真理観に立っている。
3 通説的見解は、語用論の展開を論理実証主義に対する反発と見るか、あるいは、論理実証主義には構文論的・意味論的観点しかなかったと見ているが、それは完全に誤りであって、物理主義的立場をとる論理実証主義者(ノイラートやカルナップ)は、語用論を構文論・意味論の前提として当初から考慮に入れていた。
4 J-L・オースティンを中心とする日常言語学派は、論理実証主義的思想の形式主義・論理主義に対する反発と見ることができるが、それは言語論的転回に貢献したというよりも、むしろ語用論的転回の一派にすぎない。以上。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 亀本 洋: "言語論的転回への懐疑-論理実証主義を中心に-" 法哲学年報1997・20世紀の法哲学. 34-56 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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