研究分担者 |
廣江 健司 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (90143354)
江泉 芳信 青山学院大学, 法学部, 教授(学生部長) (50103601)
矢澤 昇治 専修大学, 法学部, 教授 (00128323)
芳賀 雅顕 明治大学, 法学部, 専任講師 (30287875)
根本 洋一 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (60198570)
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研究概要 |
本年度は,3年間の研究計画の最後の年であり,これまで研究成果を報告していないメンバーや補充報告が要求される部分についての報告を中心に研究会を組み立てることにした。 本年度の最初の研究会(4月22日)では、芳賀研究分担者から「外国判決承認要件としての国際裁判管轄」と題して,間接管轄の基準を厳格に直接管轄と同一とするドイツ型の鏡像理論と直接管轄より広く認めるカナダ・ケペック州民法3164条以下の緩やかな鏡像理論があり、アメリカ合衆国でも厳格な鏡像理論に批判的な見解があることを明らかにされたうえで,日本法の解釈として、主として直接管轄と間接管轄の機能的相違に着目され,緩やかな鏡像理論を採るべきことを明らかにされた。6月24日の研究会では,根本研究分担者から,「独占禁止法と国際私法」の法国のうち,キーポイントになる二つの判例すなわちMannington Mills,Inc.事件判決(1979)とTimberlane事件判決(1976)を対比し,どのような展開があるかを検討し,討論した。7月22日と10月1日の2回にわたり,江泉研究分担者から、国際法学会の報告の予備報告として「電子商取引課税」、「ドメインネーム」の問題をそれぞれインターネット発展の過程で生じたセルフ・ガバナンス(自己統治)の発想が妥当するかどうかを検討する報告を頂き,討論した。11月25日には,矢澤研究分担者から「バーゼル条約20条のもとでの紛争解決メカニズム」の現状と問題点につき有害廃棄物の越境移動に関する国際的取り組み歴史的に遡る中で検討する報告を頂き,討論した。12月16日には,芳賀研究分担者から「国際的名誉毀損と外国判決承認」の問題を,2001年1月27日には,伊藤研究補助者から「サイバースペースにおける名誉毀損」の問題を報告して頂き,現代的な国境を越えた名誉毀損の問題を,実質法,抵触法,外国判決の承認の各局面で現状の問題点を検討した。
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