研究課題/領域番号 |
10620045
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山下 眞弘 立命館大学, 法学部, 教授 (20108781)
|
研究分担者 |
出口 雅久 立命館大学, 法学部, 教授 (70237022)
竹濱 修 立命館大学, 法学部, 教授 (40188214)
斎藤 武 立命館大学, 法学部, 教授 (80066688)
瀬領 真悟 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (90192624)
山手 正史 立命館大学, 法学部, 教授 (70200764)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 営業譲渡 / 企業分割 / 持株会社 / 保険契約 / 消費者保護 / 約款解釈 / EU法 / 団体訴訟 |
研究概要 |
1.近年のわが国の金融制度改革は、産業構造の転換や企業の効率的経営を強く要請する一方、その事態に対応できる取引主体をいかに形成し、あるいは経済的弱者をいかに保護するかという課題にも対応を迫った来た。その結果、企業組織のあり方や取引法のルール、さらには訴訟構造にも大きな影響が及んでいる。本研究では、当初、企業破産法制および経済規制法をも視野に入れて検討を始めたが、最終的には上述の三方面から検討を加えることとし、その成果の一部は以下に報告するように、すでに公表されている。 2.まず、企業組織のあり方については、金融改革後の企業組織にかかわる先進的事例を豊富に有するアメリカ法との比較法的研究から検討を進め、とくに会社の資産譲渡の面について検討を深めた。そこでは、組織的財産の譲渡を中心に考え、経営破綻の著しい譲渡会社については、株主総会決議を不要とする場合がありうること、営業の継続的発展を目指した譲渡や譲渡担保の場合には総会決議を要しないこと、親子会社間の営業譲渡に総会決議を不要とするのは慎重に考えるべきことなど、今後の企業組織の再編上の課題について立法論的見地をも踏まえた解釈論を提示した。 3.取引法の場面では、わが国でも消費者契約法、金融商品販売法などが成立し、その影響が現実のものとなっている。そこで、EU諸国の中からイギリスを取り上げ、金融商品の実例である保険契約の規制について、EUの統一的規制枠組みの中で、消費者保護が約款の透明性を確保する観点から追求されている点を考察し、そのことが約款解釈の体系的な方法に影響し、消費者の一般的理解を反映させることになっている点を指摘した。 4.最後に、訴訟構造の面では、EU消費者保護との関係で、ドイツの団体訴訟の展開過程を追い、日本の民事訴訟法の改正に当たって、一定の政策目的に合致した公益重視の観点から消費者保護に限定した団体訴訟形態の導入が望ましいことを主張した。
|