研究概要 |
平成11年度は、前年度スタートした、「日米独政策エリートの意識変化」を継続し、同時に、これに批判的なエリートの世界秩序像についての文献調査を行った。新たに得られた資料に基づき「私案モデルの修正と精緻化」作業をすすめ、さらに、そのモデル修正に基づき、持続可能な世界株序に関する認識共同体(epistemic community)の生成がみられるか、についての調査方法を若干修正し、日米独三国におけるエリートの意識変化の実態を調査した。調査結果の分析により、持統可能な世界秩序に関する認識共同体の萌芽的形成がみられるとの結論に達し、その具体的内容についての試論をまとめた。最後に、これらの研究成果を、論文にまとめ、アメリカの関連研究所でレビューを受け、そこで得られた意見を参考に論文を修正し、国際関係学会(アメリカ・ロサンゼルス市)で発表した。 1.私案モデルの明細化 (1)環境保全と両立する持続可能な経済秩序モデルの変数の修正 (2)調査方法の修正 (3)新しい変数の動態に関するエリートの認識調査用アンケートの作成 2.調査・論文作成 (1)文献調査:各国の政策エリートたちに加えて、本年はさらに、グローバル化に批判的な学者・運動家のグループの発言・論文・著作の分析を行い、両者を比較 (2)インタビューとアンケートによる調査(一部インターネット使用;継続中) (3)論文作成:タイトル"Emerging epistemic community on a sustainable world order." 3.研究のレビューおよび研究成果発表 (1)レビュー:The Southern Center for International Studies(アメリカ・アトランタ市)及びCenter for International Commerce, Auburn University, December 1999 (2)学会発表:International Studies Association,Annual Meeting, Los Angeles, 3/15/2000 (3)UNESCOの持続可能問題に関するEncyclopedia of Life Support Systemプロジェクトにおいて持続可能な世界秩序問題に焦点をあてた国際関係論の総括論文を執筆
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