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1998 年度 実績報告書

20世紀初頭日本の平和思想-日露非戦論の再検討-

研究課題

研究課題/領域番号 10620071
研究機関九州大学

研究代表者

清水 靖久  九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 助教授 (00170986)

キーワード平和思想 / 非戦論 / 日露戦争 / 帝国主義 / トルストイ / 木下尚江
研究概要

本研究は、日露戦争をめぐる多様な意見の配置のなかで、20世紀初頭日本の平和思想を再検討してきた。これまでに解明した次のような点について、現在論文を作成中である。
1. 19世紀末以来のアジアの植民地化のなかで、日本の平和主義者の間でも、帝国主義をめぐって両義的な理解が抱かれていたこと。2. 日本の平和思想の形成においては、欧米の社会主義思想と並んで、キリスト教思想とくにトルストイの思想が大きな役割を果したこと。3. 日露戦争に関しては、平民社に結集した青年に限らず知的な青年層の間に非戦思想がかなり拡がっていたこと。4. 平民社に結集した青年の一人、山田金市郎の場合は、平民社の活動と後年の民政党代議士としての活動との間に断絶があること。5. 日露戦争に関する義戦論者や是戦論者たちも、非戦論者の主張を強く意識した結果、戦争をめぐる多様な意見が交差したこと。
本研究が主な対象とする木下尚江の平和思想については、20世紀初頭の『毎日新聞』を調査して思想形成を検討するとともに、1910年前後に至る変遷を追跡してきた。木下の平和思想は、社会主義よりもキリスト教とくにトルストイの思想の影響のもとで形成されており、1906年の思想変化の前後も平和思想の点では一貫していたことが解明された。その研究成果の一部は、『木下尚江全集』第18巻の解説のなかに表現した。また、木下の手記の解読を進めており、近く報告書を作成して、成果を発表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 清水靖久: "解説" 木下尚江全集. 第18巻. 547-582 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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