本年度は、喜界島での聞き取り調査と文献調査を行った。これまでの調査は基本的に奄美大島を中心に行ってきたが、昨年度の沖永良部島に続き、奄美大島以外の島嶼地域の政治動向を探るのが目的であった。喜界島では、議員経験者や住民運動に関与している人物に、喜界島における復帰運動、奄美群島振興開発計画と戦後の喜界島の政治との関連、現在問題になっている像のオリ建設問題をめぐる動向等についてのインタビューを行った。また、文献調査は、喜界島図書館を中心に行った。 また、奄美大島でも文献調査を行った。鹿児島県立図書館奄美分館で、復帰前後の資料の調査や奄美群島振興開発計画関連の資料の調査を引き続き行うとともに、地元新聞である南海日日新聞社の資料室で、同社の所蔵する新聞及び資料を閲覧した。同紙の戦後政治や奄美振興開発計画に関連する記事を中心に必要な資料のコピーを行った。 また、これまでの調査で収集した資料等を整理し、逐次コンピュータに入力する作業を進めた。その内の一部については、戦後奄美政治略年表としてホームページ上で公開した。 (http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/9261/) さらに、地域における開発と政治に関する理論動向をさぐるため、海外の開発問題に関連する文献を収集した。比較政治の観点からも奄美群島の開発問題を位置づけられないか検討を進めている。 本研究の最終年度となる次年度では、これまで収集した資料に基づき、戦後の奄美群島の政治についての研究をまとめる予定である。
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