-現代ヴェトナムにおける政治決定メカニズムを、ヴェトナム共産党組識(政治局、常任委員会、中央委員会、総会、地方組織)と政府組織(中央政府、地方行政組織)双方の分析、及びその相互関係の機能の仕方を分析した。 -ヴェトナム共産党の党員となる選出過程、及び党員の義務と特権の具体的分析を歴史的に行った。 -また、ヴェトナム共産党の大衆団体、とくに祖国戦線の政治的役割(国会議員候補者の推薦過程で祖国戦線のスクリーニングが決定的役割を果たすこと)をかなりな程度解明することができた。 -現在進行中の政治改革・行政改革が市場経済移行プロセスという経済改革と、いかに連動しているのか、いないのかを検討した。 -現代ヴェトナムの政治決定メカニズムを、ヴェトナムの歴史に遡って、集団指導のあり方(村落の長老会議の伝統)等、ヴェトナム社会のもつ歴史的特質にも光を当てた。 -ヴェトナムが影響を受けた(旧)社会主義国の旧ソ連、中国、東欧諸国、キューバ等の政治決定メカニズムとの比較研究を行った。 -さらに、ヴェトナムもかつてフランス植民地であったことにより、フランス式統治方法の影響を受けている。旧フランス植民地であったカンボジア、ラオス、アルジェリア、アフリカ・フランス語圏諸国の政治決定メカニズムとの比較も行った。 -このようにして、資料的には不十分な所はあるものの、現代ヴェトナムの政治決定メカニズムの全容はほぼ解明できた。
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