1、本年度は、研究実施計画に従って自動車・電機産業を中心とする事業内認定短期大学校の調査、実施計画には出てないが事業内学校として有名なNEC・日立の社立学校の調査、およびポリテクカレッジの一部の調査と資料の収集を行った。 2、社立学校(事業内認定学校を含む)は大別すると、第1に中卒者を対象とする3年制の学校、第2に高卒者を対象とする2年制の学校、第3に高・大卒者を対象とする学校に分かれる。 3、まず、3年制の技能者養成学校は、各産業ともごく一部でみられるだけであるが、卒業生は高い忠誠心と企業帰属意識をもっている。そのことは、企業がこの種の学校を継続させる要因となっている。ただし、中卒労働市場の衰退の中で、この種の学校は存続の危機に立たされている。 4、つぎに、2年制の学校はテクニシャン養成が主目的で、今日の事業内認定学校の主流を占めている。ME階段に必要な新たなタイプの熟練(経験的熟練とMEに関する知識と技術)がこの種の学校をもたらしたのである。このことは、従来のOJT中心の教育訓練からOJTとOff・JTの併存する教育訓練へ人材育成システムがシフト化しつつあることを示している。 5、最後に、高・大卒者を対象とする学校は技術者の教育訓練をする学校である。この種の学校は電機産業に多く見られる。コンピュータ段階の特徴として技術者の質・量が高まったことが、影響している。 6、ポリテクカレッジはテクニシャン養成を主目的としているが、卒業生の動向からみて、ほぼそれは達成されている、と言える。卒業生の大半は中小企業の「設計・開発部門」「生産技術管理部門」あるいは「専門的・技術的職業」「事務的職業」に従事している。
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