日本の土地保有税の性格について解明した。また、その税負担について解明した。土地保有税の全国規模での徴収状況について分析した。地域経済に与える影響についても解明した。 さらに、戦前の土地保有税の考え方の代表である土地増価税について研究した。その制度化動向について解明した。歴史的背景や制度の内実について、解明した。とりわけその制定に熱心であった東京都や大阪府等の大都市の都市財政需要については、入念に研究した。 さらに、戦前の受益者負担導入運動について分析した。この制度は、下水道の整備や道路や運河の拡張について導入されたものである。今回の調査研究によって、この制度が、下水道の整備を中心として、大きな成果をもたらし、今日まで続いていることが判明した。 さらに、これまでの研究の成果を元に、未実現利益を中心とした開発利益の公共還元という視点から、わが国の現代の土地保有税と土地増価税との比較検討を行った。 経済の基礎的なファンダメンタルズを越えた急激な成長によってもたらされた急激な地価高騰についての歴史認識を深めることによって、土地税制分析の新たな視覚を開拓した。
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