研究概要 |
本年度の研究は家電リサイクル、ごみ処理有料化、交通需要マネジメント(TDM)の3領域について実施した。家電リサイクルについては、首都圏在住の2,000人を対象に郵送で意識調査を実施、430人から回答を得た(回答率21.5%)。2001年4月から家電リサイクル法が本格施行されると、消費者にはテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目について新製品購入時に販売店に使用済み旧製品の引き取りを求める際リサイクル費用を支払うことが義務づけられる。そこで本調査では、(1)消費者の品目ごとのリサイクル費用支払意思(WTP)、(2)WTPを上回るリサイクル費用負担のもとで不法投棄意向、(3)リサイクル費用の開示が消費者のWTPや不法投棄に及ぼすインパクト、(4)再生材料を使用した家電製品(リサイクル製品)についての購入意向、(5)家電製品のリサイクル率表示が製品選択に及ぼすインパクト、などを把握することとした。調査の結果、(1)について大多数の消費者のWTPが2,000〜3,000円(品目により異なる)であること、(2)について放置意向なしが多数であること、(3)について費用開示がWTPの向上と不法投棄防止にかなり有効であること、(4)について消費者は価格メリットがなければリサイクル製品を購入しないこと、(5)についてリサイクル率の表示がなされた場合、大多数の消費者が製品選択の判断材料にすることなど、興味深い知見が得られた。なお、ごみ処理有料化とTDMの調査については、本年度はヒアリングと見学などにより基礎的知見の蓄積に努めた。
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