(1) 1970年度の日・米・英の企業について、研究に必要なデータの集計と加工を行った。すなわち金融機関を除き、付加価値で規模の大きい順に100社(ただしアメリカについては、上位500社から系統的に100社)をとり、さらに各国100社のなかから、1955-90年の各年度について、以下の諸変数値を完全に得られる企業を、できる限り系統的に各国36社ずつ選んだ。そして、1955-90年の各年度の、株価時価総額、経常利益、純資産、売上、内部留保、賃金支払総額、一人当り賃金を、各国36社について算出することを試みた。ただしイギリスについては、データの開示が著しく劣っているために、次年度以降、個別に調査することとした。 (2) 得られた日本とアメリカの定常時系列データについて、企業成果をあらわす上記の変数をもとに、グレンジャー因果性によるテストを試みた。変数を変え、またモデルを変えて検討を繰り返した。研究分担社は、作成されたデータベースをもとに、それを操作可能な変数に置き換え、検定を行った。またデータが非常に大量になるため、研究補助者の助けを得て、データベースを作成し入力した。解析については東北大学のコンピュータを用いた。 (3) あわせて、イギリスの金融・サービス企業36社を対象に、1955-90年の5年ごとの株価時価総額、経常利益、純資産、内部留保、賃金支払総額、一人当り賃金に関するデータを集計し、それぞれの変数のどれが極大化されたか、また極大化されようとしたかを解析した。その結果を、先に行った金融企業を除く100社の結果と比較した。
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