新製品開発活動、およびその成果の規定因についての内外の諸研究のレビュー、ベンチャー企業を含む中堅中小企業へのアンケート調査のデータを使っての分析、および主に中堅中小企業へのヒアリング調査等を通して、標記の課題についての研究を進めてきた。 1.R.G.CooperらのProject NewProdやR.RothwellらのProject SAPPHOの研究、およびC.M.Crawfordなどの新製品開発成果の規定因についての研究をレビューし、新製品の成功/失敗を規定する要因について概念的な考察を行った。 2.中国地域の製造企業と販売企業を対象としたアンケート調査のデータを利用して、ベンチャー企業を含む中堅中小企業の製品開発やマーケティング上の問題について明らかにした。販売企業の評価によれば、ベンチャー企業等の製品は一般に商品の事前評価や市場調査に問題があり、商品としての完成度が低いようである。ベンチャーや中小メーカーの側でもこのことはある程度認識されてはいるものの、限られた経営資源の中で、製品開発をどのように進めていけばよいかについて、明確な指針や方針を持っていない企業が多い。特に技術志向的企業のなかには、良質な技術資源をもっているにもかかわらず、製品化プロセスや販売面で問題を抱え、良質の技術シーズが販売の実現にまで至らないケースが多く見られる。 3.新製品開発活動およびその成果に関連させながら、製品差別化や市場細分化、計画的陳腐化やモデルチェンジ、および技術革新と新製品開発について、理論と実証の両面から研究を行い、研究成果の一部を既に学会等で報告してきた。
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