(1) 西独自動車企業の旧東ドイツ及び東欧諸国への直接投資に関する資料収集:主としてドイツにで公表されたドイツ自動車・部品産業のトランスプラント、リーン経営・生産システム、労働問題に関する一般ないし学術図書・学術論文・業界情報・新聞記事等を収集することができた。とりわけ、VW社及びオペル社の旧東独・東欧地域への投資に関する学術調査研究書・論文の収集は、ドイツ政府、ドイツ自動車産業界、自動車メーカー、各種シンクタンクや研究機関の協力を得て成果を上げることができた。また特筆すべきは、ドイツでの最先端の研究実績に関わる図書・論文だけでなく、旧東ドイツの民営化事業の最終報告書(全13巻;自動車・部品産業も含まれる)をドイツ政府が援助してくれたことであり、本年度に引き続いて、次年度にかけて、それにるいて丹念な研究と取り組む予定である。 (2) 旧東独地域の自動車トランスプラント及びそれに部品供給する部品産業に関する研究では、膨大な資料を渉猟し、耽溺傾向がなくもなかったが、基礎的な研究にエネルギーを注いできた。とりわけ、VW社及びオペル社の旧東独新設工場に関する研究は、ある程度、成果を上げることができた。 まだ学術論文として公表することができる段階にないが、次年度において、研究成果を順次に公表する計画である。 (3) 旧東独地域の自動車部品産業についてのアンケート調査とハンガリーの日系自動車トランスプラント(スズキの投資)に関しては、充分な調査結果を得ることができなかった。それらについては、次年度において、引き続き、調査研究と取り組む予定である。
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