研究概要 |
平成12年度には,研究の課題として,まず第一に,旧東独を含む中・東欧経済圏を競争の新しい舞台として鎬を削る日独(欧米)自動車企業の戦略展開の新しい方向性とその違いを,「リーン生産システム」のimplementationとmodificationのパーターンの比較に求め,その相違性を究明すること,その場合に第二に,旧東独地域に自動車製造プラントを設けたドイツ自動車メーカー,VW社及びオーペル社(米GM社ドイツ法人)のケースと,旧東独自動車産業解体後の旧東独企業の下請産業としての再編成過程を解明すること,さらに第三に,そのために,ドイツ統一後の民営化,とくにそれを遂行した「信託公社」の研究も重視することを設定し,研究した。具体的には,(1)旧東独地域における自動車産業の再建に関する研究,(2)旧東独地域の自動車部品産業を対象としたその再編成の実態の検討,(3)統一後の旧東独企業の民営化を担った「信託公社」に関する研究と取り組んだ。研究成果は,自動車産業分野に関連してとくに旧東独企業の民営化に関する論文(「研究発表」参照)を公表してきたが,自動車産業の生産システムに関する研究については,論文作成中であり,今後公表を予定している。
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