平成10年前半にマレーシアにおけるマレー人と中国人の価値観(values)について、文献レビューを行った。この結果を論文としてマレーシア経営学会誌、Malaysian Management Review、1998年、12月号に掲載した。この論文は、ホフステッドのモデルを活用して、マレーシアにおけるマレー系と中国系の価値観の差異を明らかにした。「一国一文化」という一般的な考え方を批判し、将来の研究や経営に示唆を提案した。そして、平成11年7月にハワイ大学主催ワークショップにて発表した。同時に、京都大学の東南アジア研究センターに内地留学を実施し、マレー文化や価値観をさらに探求した。この研究論文は、「東南アジア研究」に受理されて、2000年3月号に掲載される予定。この論文は、マレーシアのブミプトラ(いわゆる、マレー人)起業家について論じた。なぜ、政府の優遇政策に恵まれても成功例が少ないのか。政治の影響力や起業家教育、マレー文化の三つのパートに分けて、原因を追求した。平成11年前半に、マレーシア経営学会誌に掲載した論文に基づいて、アンケート調査表を実施し、マレーシア120社に送付した。54社から回答を得た。SPSSでデータ分析を行って、現在は論文を作成中。この論文は、ホフステッドのモデルを検定して、マレー系と中国系の価値観の差異を明らかにする。中間結果によると、マレー系と中国系の価値観は同質であると判明した。この論文を12月にシンガポール国立大学主催第2回アジア経営学会に発表する予定。学会から得たコメントを取り入れて、論文を改善後、学術誌に掲載するつもりである。
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