研究概要 |
組織は市場で生じる不確実性や複雑性を扱いやすいように様々な工夫を行っている。振替価格やシャドープライスを用いて企業内に擬似的市場を導入し、企業活動を調整し、企業内の資源配分の効率化をはかろうとする方法もその一つである。組織の効率性を測るためにインセンティブシステムの設計上の諸問題とプリンシパルとエージェント間の情報の非対称性から生じる問題を論じた。この問題は民営化問題に研究展開させるため新たに科学研究費申請を行なった。また取引費用理論が戦略提携、ジョイントベンチャー、ネットワークとどのようにかかわるかを内部化理論とシナジー理論により考察した。ネットワークに参加する企業は技術的考慮と取引費用の節約に依存して、効果的で効率的であるときに競争効率を享受し、ネットワークを維持できる.補完的知識生産活動を目的とした戦略的提携によるネットワークは情報の交換を通じて技術にもとずく生産のコスト、リスクおよび不確実性を最小にする。戦略提携ネットワークは企業の境界を越えて問題解決法を組織学習できるので,グローバル市場での生き残りとめざましい成果を達成するために形成される。企業の多様化と多国籍企業の海外展開についても取引費用によって考察した。研究を総括するにあたり契約、所有権、情報、ゲームの各理論を視野に入れフランスの研究者と討議した.
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