現代社会における企業倫理への取組みにおいて各国に先行するアメリカ合衆国での学術的・専門的研究、高等教育機関における教育、そして企業経営における多面的な実践の四半世紀余におよぶ実績を総合的・体系的に分析・検討することにより、後続するヨーロッパ諸国、さらには日本における実態との比較に資するとともに、特に日本における今後の課題の解決に際して参照すべき具体的教訓を抽出することを目標とする研究計画を三か年にわたり継続して遂行してきた。研究の方法は主として文献・資料の収集・分析、ならびにその成果の総括・評価の作業からなる文献的方法によった。 計画初年度に当たる平成10年度においては主として企業倫理研究の歴史を、また第2年度に当たる平成11年度には主として企業倫理教育の歴史的展開過程を研究の対象とし、最終年度である平成12年度においては、過去2年間における研究成果の補完ならびに集約・総合を中心に作業を行なった。 その際、特に日本における企業倫理に対する認識との比較を強く意識しつつ、合衆国における企業倫理への取り組みの全局面-研究・教育・経営実践-を貫く独自的特質の把握に努め、倫理的課題事項の概念、事例分析および事例研究の意義、企業内部における実践体系としての制度化の構成要素、さらには企業実践に対する社会的支援体制の構築などを貫く、徹底した具体的思考ならびに実践重視の志向をきわめて明確に確認することができた。
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