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2000 年度 研究成果報告書概要

ドイツ的生産モデルと日本的生産モデルのハイブリッド化の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 10630122
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経営学
研究機関明治大学

研究代表者

風間 信隆  明治大学, 商学部, 教授 (60130803)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワードドイツ的生産モデル / グローバル競争 / リーン生産方式 / 集団作業方式 / モジュール生産方式 / プラットフォームの共通化 / 労働の人間化 / トランス・プラント方式
研究概要

標記研究課題に対して平成10年度から13年度に及ぶ研究期間において、とくにドイツ自動車メーカーと日本自動車メーカーにおける生産合理化の具体的態様を中心に工場訪問、インタビュー、文献研究等の研究を行い、以下の点を明らかにすることができた。
1)ドイツの自動車メーカーが1990年代に入って、とくに93年の大不況を契機として、「トヨタ生産方式」をモデルとしてMITのウォマックらによって提唱されてきた「リーン生産方式」ないし日系トランスプラントで実践されている「トランス・プラント方式」を積極的に学習し、これを自社の生産システムに積極的に導入しようとする動きを強めていること。当初は旧東ドイツの新設事業拠点から導入が開始されたが、その後旧西ドイツの事業拠点にも大規模に展開されつつあること。
2)その際の中心的関心をなすものは、「集団作業方式」(従来のものと区別するために「標準化された集団作業方式」と呼ばれる場合もある)と呼ばれる新しい作業組織であり、これは従来ドイツにおいて「労働の人間化」論議で提唱されてきた「自己組織的集団作業方式」との関連と相違を巡って、ドイツの産業社会学の大きな争点となっていること。
3)産業社会学の分野では、こうした動きを批判的に捉える傾向があるけれども、経営実践の分野では、ドイツの労使双方とも、グローバル競争の激化の中で空洞化を回避し、ドイツという「産業立地」を守るためにはこうした合理化を展開せざるを得ない点で大方の合意が形成されつつあること。
4)しかし、同時にドイツの自動車メーカーは、こうした日本の生産システムからの学習だけではなく、自らの生産イノヴェーション、とくに大胆なプラットフォーム(車台)の共通化とこれを基礎とする部品コストの大幅な削減、モジュール生産方式の大規模な展開も同時並行的に行っていること。
5)現在、メガ・コンペティションないしグローバル競争の激化の中で1970年代から80年代にかけて展開されてきた「ドイツ的生産モデル」はコスト・生産性問題から大きな見直しを迫られており、労働の人間化の議論も大きく後退しており、大きく変化を遂げつつあること。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 風間信隆: "「ドイツ乗用車メーカーの経営のグローバル化と生産合理化」"『明大商学論叢』. 第81巻第1・2号. 99-122 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 風間信隆: "「経営のグローバル化とドイツ的生産システムの進化」"『工業経営研究』(工業経営研究学会). 第14巻. 1-5 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 風間信隆: "「ドイツ的生産モデルの『日本化』と集団作業方式-ドイツ労働社会学における『競争競合』を巡って」"『日本経営学会誌』(日本経営学会). 第6号. 1-16 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 風間信隆: "「科学的管理の『現代化』と集団作業の『標準化』」"『明大商学論叢』. 第83巻第2号. 167-189 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 風間信隆: "現代経営学の基本問題(佐々木恒男編著)"文眞堂. 326 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 風間信隆: "現代生産システム論(宗像正幸・坂本清・貫隆夫編著)"ミネルヴァ書房. 237 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 風間信隆: "現代労務管理の国際比較(奥林康司,今井斉,風間信隆編著)"ミネルヴァ書房. 193 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] KAZAMA NOBUTAKA: "The "Japanization" of the German production Model and group work"JOURNAL OF BUSINESS MANAGEMENT. No.6. 1-16 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KAZAMA NOBUTAKA: "the globalization of business management and The rationalization of production in the germane car manufactures"MEIDAI-SHOUGAKU-RONSOU. Vol.81.No.1-2. 99-122 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KAZAMA NOBUTAKA: "The globalization of corporate activities and the evolution of the German production model in German car makers"JOURNAL OF THE STUDY OF INDUSTRIAL MANAGEMENT. Vol.14. 1-5 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KAZAMA NOBUTAKA: "the "modernization" of scientific management and The "standardization" of group work"MEIDAI-SHOUGAKU-RONSOU. Vol.83.No.2. 167-189 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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