今年度は、2年計画の1年目なので、「日米企業のグローバル展開と管理会計」に関連する文献、資料などの収集、整理、及び企業へのパイロット・スタディを中心に行った。同時に、これまでに行ってきた「日米企業の管理会計」に関する調査、「在米日系企業の経営環境と管理会計」のインタビューの取り纏めも行った。それをもとに、二つの論文「日米企業のグローバル展開とマネジメント・コントロールに関する比較研究」(1998年12月)、「在米日系企業の経営環境と管理会計・管理会計に関する一考察ー現地適用と現地適応の視点からー」(1999年3月)として取り纏め公表した。 以上に加えて、在米日系企業の経営実践と管理会計、原価管理実践の国際移転の特徴を、グローバル化とローカル化の視点より、面接調査の整理も行っている。具体的には、日本企業のアメリカ社会、経済での現地適用と現地適応のプロセスに焦点を充てた在米の販売会社、地域統括会社、研究開発会社、製造会社(合計31社)への面接調査の整理を行っている。それは、在米日系企業の「日本的経営」、経営職能のローカル化、研究開発と原価企画、国際振替価格、海外子会社の業績評価、原価管理を主要な内容としている。 来年度は、プロジェクト研究の最終年なので、今年度に行っている研究をベースに、研究題テーマに関する資料の収集、日米企業への面接調査を継続すると同時に、プロジェクト研究を「在米日系企業の経営環境と管理会計」として取りまとめ、9月の日本会計研究学会で報告することである。同時に、その報告とこれまでの研究・論文を合わせて、プロジェクトの最終的な報告書を作成する計画である。
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