研究概要 |
1. 有限群のカルタン行列の固有値については、多くの実例が和田により計算機を用いて求められた.また和田はある種のp-可解群の族のカルタン行列を決定した.それらの実例にもとづいて理論的考察を行なった結果、p-可解群についてカルタン行列の最大箇有値とブロッケに属す既約指標の個数の間の不等式が予想され、現在研究中である.この不等式は有名なBrauer予想の拡張を与えている.また清田、和田によってp-可解群においてカルタン行列の固有値と単因子が一致するための必要十分条件が得られた.これらの結果は、以前からの研究成果とともに代数学シンポジウム(1998年7月、甲府市)において、和田により口頭発表された.有限群のブロックの構造に関して、清田は(3,3)型不足群を持つ場合にブロック間のパーフェクトアイソメトリーを構成し、上記代数学シンポジウムで口頭発表した.この結果は(3,3)型不足群を持つ場合のBroueの問題の肯定的解決を与える. 2. シャープ指標、特にシャープな置換指標について、多くの実例が野村により計算機を用いて構成された.それらの実例にもとづく理論的考察は現在進行中である.またシャープ指標のアソシエーションスキームへの一般化と間連した話題として、清田と鈴木寛の共同研究により、有限群から作られる群アソシエーションスキームがある種の条件(Q-多項式)を満たす時、その有限群をすべて決定することができた.この結果は、日木数学会(1998年10月、大阪大学)において、清田により口頭発表された.これらの有限群はすべで自然なシャープ指標を持っている.現在Q-多項式群アソシエーションスキームの拡張とシャープ指標との関係を研究中である.
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