研究概要 |
1.VとWを代数多様体としf:V→Wを支配的有理写像とするとき、非有理次数drに関して基本的な不等式dr(V)>dr(W)がdimW=1のとき成立する。しかし、dr(W)=2のとき成立するかどうか長らく不明であった。当研究によって、dimV=dimW=2のとき、不成立な例をVとWが超楕円曲面のとき作った。また成立するための十分条件も見つけた。 2.超楕円曲面の非有理次数は2,3または4であることが判明し、更に2になるための必要十分条件として標準束に関してその2倍が自明という主張が成立することが得られた。なお3の場合は沢山実例が存在するが、4の場合は見つからず存在しない、と予想されるがこの問題の解決は今後の課題の一つである。 3.非有理次数との関連で、平面曲線や超曲面の関数体の体論を研究した。まず4次曲線のとき研究しガロワ点の個数は0,1または4であることや、ガロワ点でないときのminimal splitting curveの種数を決定した。次に5次のフェルマー曲線のとき調べた。その上にガロワ点は存在せず、変曲点においてガロワ閉包のガロワ群は位数8の二面体群であり、種数は16であることが判明した。それ以外の点では4次対称群で種数は85である。 4.曲線のときと同様のプログラムに従って4次曲面Sに関して研究した。曲面上の点がガロワ点になる必要不十分条件を求め楕円曲面の理論を応用して、S上には0,1,2,4または8個のガロワ点が存在する事実をつきとめた。8個存在するのはたった一つの曲面S_-8であり、この曲面の上には64本の直線が存在することも見いだした。
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