研究課題/領域番号 |
10640016
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中西 知樹 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (80227842)
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研究分担者 |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
青本 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00011495)
林 孝宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (60208618)
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キーワード | ベーテ仮説法 / ハイゼンベルグ模型 / 量子群 / 可積分模型 |
研究概要 |
中西は、平成12年度までに得られたXXZ型のスピン模型のBethe方程式における形式的完全性に関して、さらに国場、坪井(東大)との共同研究を行った。その結果、それまでuntwisted型アフィンリー代数の場合対してのみ得られた結果が、すべてtwisted型アフィンリー代数に対しても成立することが示された。さらに、この研究の過程で得られた種々の関係式や定理が成立する原理的な仕組みをよく省察することにより、このような形式的完全性を表す級数公式とその背後にある関数(代数)方程式系(Kirillov-ReshetikhinのQ系)の関係を完全に明白にすることに成功した。すなわち、有限変数の有限個の関数のみたすある種の関数方程式(有限Q系)を導入する。有限Q系の一意解は多変数Lagrangeの反転公式によって二通りの級数表示を持つという著しい特徴を持っている。そして、この表示がまさにそれぞれXXX型およびXXZ型の形式的完全性公式の有限変数の場合の類似になっている。すなわち、形式的完全性公式この公式の射影極限としてみなすことができるのである。一方、青本は準超幾何関数の立場から、やはり同じ有限Q系の考察にたどり着き、そのモノドロミー問題を考察した。今後、有限および無限Q系は、可積分模型の可積分構造を理解する新しい視点としての役割を担うことが期待される。 中西はもう一つの重要な課題である量子群のq指標の研究を中井(名大)とともに研究を行った。C型のq指標の計算を行うために計算機2台を導入し、次数100万程度の表現のq指標公式のq-Young図による表示を求めることに成功した。これについては更に研究を継続して、一般のKR表現に関するq指標公式を導出することを目標にしている。
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