研究分担者 |
西山 享 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70183085)
松木 敏彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20157283)
斎藤 裕 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (20025464)
山内 正俊 京都大学, 総合人間学部, 教授 (30022651)
高崎 金久 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40171433)
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研究概要 |
整数論,特に保型形式の研究においてはしばしば,代数群上の特殊関数(球関数)が重要な役割を果たす.そしてそれらは多くの場合に対称空間などの球等質空間と結びついている.加藤(研究代表者)は本研究において,非アルキメデス的局所体上の簡約可能群に付随した球等質空間上の球関数を表現論的立場から考察した.その目的は,(1)以前から知られていた帯球関数,Whittaker関数などの特殊関数をより広い観点から統一的に理解すること,および(2)主に整数論的応用を見込んで,具体的な場合にこれらの関数の性質,特に一意性,明示公式等を得ることにある.前者においては軌道分解の記述の研究を行い,この下で,(特に対称空間の場合に)球関数の一般的な公式,ならびにその具体的な計算手順の枠組みが得られた.一方後者については,前者を利用することにより,base changeに関係する対称空間の場合などに一意性,明示公式等を示した.なお,この方向で現在も研究は進行中である.また分担者により次のような表現論や球等質空間に関連する研究が行われた.斎藤は球等質空間(の球関数)に密接に関係する概均質ベクトル空間のゼータ関数を研究してその収束性を示し,更に局所軌道ゼータ関数を用いた明示公式を得た.松木は対称空間の軌道分解に関係するWeyl群,Jordan分解を調べた.西山は球等質空間の特徴的な性質である重複度自由作用の研究,ならびにテータ対応と巾零軌道の関係の考察を行った.その他,高崎,山内らにより数理物理学,保型形式論などの関連する研究が行われた.
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