研究課題/領域番号 |
10640025
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中島 惇 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30032824)
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研究分担者 |
梶原 毅 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50169447)
石川 洋文 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00108101)
平野 康之 岡山大学, 理学部, 助教授 (90144732)
池畑 秀一 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20116429)
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キーワード | ホップ代数 / ガロア拡大 / 接合積 / ワイル代数 / 歪多項式環 / 微分 / 微分加群 / 関手 |
研究概要 |
1. P-ガロア拡大の概念は岸本量夫によって導入された。これは群や微分ではない作用を含むものであるが、本質的なP-ガロア拡大の構成がなされていなかった。ここでは、体上のすべての3次P-ガロア拡大を決定するとともに、その同型類群を求めた。その結果この同型類群の分類は従来のガロア拡大の同型類に比べて同型類が細かすぎることが示された。その原因はPが群と微分の作用を同時に含むことに起因しており、P-ガロア拡大の概念を修正する必要があることを指摘した。 2. αを環Rの自己準同型とし、δをRのα-微分とする。歪多項式環R[X,α,δ]の係数環の不変性を調べ、Rがα-reducedな強正則環のとき、Rは歪多項式環の係数環として不変であることを示した。 3. 環の作用としての微分において、「標数が2でない素環においては零でない2つの微分の積は微分にならない」という結果はPosnerの定理として知られている。これは多くの一般化があり、バナッハ環(またはヒルベルト空間)上の有界線形作用素の環においても成り立つ。Bresarは最近微分の概念を拡張して、一般微分というものを導入し、Posnerの定理をnormed algebraにおいて取り扱っている。一般微分はホップ代数の作用としては取り扱えないが、中島(研究代表者)は一般微分の定義を拡張して対称的にすることにより、微分との関係を解明した。また一般微分全体が作る加群を加群のカテゴリーの間の関手として取り扱うことにより、可換環の場合の微分加群の存在を用いて、一般微分加群の存在を示すとともに、この定義や関手的見地は、左微分や中心的微分にも応用できることを示した。 4. ホップ代数の作用を余加群多元環として取り扱うことにより、ホップ代数の作用域はより一般化される。これは1で述べたP-ガロア拡大の概念を含むもめである。中島はこの立場からChase-Sweedlerの可換環のホップガロア拡大の概念を余加群多元環に一般化するとともに、森田同値性との関係など可換環のホップガロア理論の主要結果のいくつかを一般化した。
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