研究概要 |
平成10年度は主に次の3つの課題について研究を行った. (1) b_2(X)=1なるC^3の非射影的Moishezonコンパクト化(X,Y)の指数(Index)に関する問題. (2) GL(2,C)の“small finite subgroup"GによるC^2の商空間C^2/Gの最小正規交差コンパクト化の分類問題. (3) C^2のコンパクト化としてのP^3内のb_2(Y_d)=1なる正規超曲面Y_dの分類問題. これらについて、つぎの成果が得られた. (1)について:0<γ∈Zを(X,Y)の指数、即ち、Kx=-γYとしたとき、Yは非正規非射影的Moishezon曲面であり、Yの正規化・特異点解消を詳細に調べることにより、γ=1,2である事が得られた.この結果はHiroshima Math.J.に投稿し、既に受理されている. (2)について:商空間C^2/Gの最小正規コンパクト化を(S,A)とした時、Aは非特異有理曲線のtreeであって、その双対グラフΓ(A)も決定できた.この結果は現在、投稿中である. (3)について:Y_dをb_2(Y_d)=1なるP^3のd次正規超曲面でしかもC^2のコンパクト化とすれば、境界因子C:=Y_d-C^2はP^3の直線であり、さらに、Y_dが重複度d-1の特異点を持つ時、Y_dの最小特異点解消の構造を解明し例外集合の双対グラフを決定した.
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