研究課題/領域番号 |
10640029
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木内 功 山口大学, 理学部, 助教授 (30271076)
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研究分担者 |
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
増本 誠 山口大学, 理学部, 助教授 (50173761)
菊政 勲 山口大学, 理学部, 助教授 (70234200)
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (60192754)
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キーワード | リーマン・ゼータ関数 / 約数関数 / リーマン・ジィーゲル公式 / オメガ結果 / 乗法的関数 / 平均値定理 |
研究概要 |
素数の分布を調べる上で、最も重要な方法にリーマン・ゼータ関数の零点の研究(リーマン予想)、または平均値定理の研究(リンデレーフ予想)がある。ハーディー・リトルウッドの頃から、リンデレーフ予想へのアプローチの一つとして、ゼータ関数を二つのディリクレ多項式と剰余項の和に分解する "近似関数等式"と呼ばれる近似等式を用いる方法が知られている。我々はこの近似関数等式の剰余項を考察する事で、リンデレーフ予想との関連性を導き出そうと努めた。本研究の成果を以下に述べる。 1983年、本橋はリーマン・ゼータ関数の平方に関する近似関数等式をハーディー・リトルウッド型ではなくリーマン・ジーゲル型(対称型)で導き、この公式から得られた剰余項がボロノイの約数問題における剰余項と密接な関係が在ることを示唆した。私は、90年代前半に、この剰余項に関する平均値定理を提案し、ミウルマン型の約数問題の剰余項を用い応用する事で二乗平均値公式を導いた。さらに、ヒースブラウンの方法から一般のべキ乗平均値公式をも求めることが出来た。これらの結果をリーマン・ゼータ関数の平方に関する近似関数等式の剰余項(非対称型)に一般化する事を本研究で第一に行った。次に、この非対称型の近似関数等式の剰余項に関する短区間での二乗平均値公式をユティラーの一般化された約数問題の剰余項を用い、ユティラーの方法に従って導いた。最後に、リーマン・ジーゲル公式の残余項に関する平均値定理を提案し、それに関する二乗、べキ乗平均値公式を導いた。この研究から残余項の真の位数が求められ、リンデレーフ予想との関連性が考察された。
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