研究概要 |
高次Dedekind和のp進的な性質をより詳しく調べるため,そのp進的補間関数であるp進Dedekind和の1次の係数を問題にした.隣接する問題にp進L関数の0における1階導関数値あるいはp進Euler定数の研究があるが,本年度はこれに対する結果が得られた.Bernoulli数のより深いp進的近似,すなわち,Bernoulli数の次数をnとするとき,n,n-1,n-2,n-3をmodulusに含む近似式を調べ,次の結果を得た. 1. Teichmu ller指標に属する一般Bernoulli数に対する上記の近似式.p進Dedekind和の場合もそうであったが,p=2,p=3,p≧5の場合について異なる特徴をもつことがわかった.p=2の場合はn(n-1)(n-2)(n-3)の2進指数付値に8を加えた指数をもつ2のべきを法として,p=3の場合は同じものの3進指数付値に5を加えた指数をもつ3のべきを法として,p≧5の場合はn(n-1)のp進指数付値に1を加えた指数をもつpの巾を法としてのnの多項式による近似が得られた.これらはp進ゼータ関数の0における微分係数および1のまわりのローラン展開の定数項(すなわちEuler定数)に関する情報を与えるものである.1999年2月20日/日本数学会九州支部例会で報告した. 2. 一般Bernoulli数と奇素数pに関して,上と同様な方向でWittの公式の近似精度を上げることができた.それによって,導手がpと素な成分を含む第1種指標の場合に,Ferrero-Greenbergの公式(p進L関数の0における微分係数に対する)の別証明を得た.同2月4日-6日/章田学術会第5回日韓整数論セミナーで報告した. 研究分担者も,自然数解をもつ不定方程式,離散最適化問題その他において,成果をあげた.
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