研究概要 |
本研究の目標は、「アマルガム」の方法により、ある種の条件Aをみたす単純群の同型類を決定するための方法で、次のように3段階に分けられる。 1.2群Sと、Sと同型なシロー2部分群をもつ群X、Y(同型写像を固定し、X⊇S⊆Yとみなす)があるとき、条件(1)O_2(X)≠1≠O_2(Y)は、(2)Os(X, Y)=1、(3)ある種の条件B、の下で、三つ組(X, S, Y)の「型」(同型類)を分類する。(ただし、Os(X)は、Sに含まれる部分群で、Xで正規であるもののうちで最大のものをあらわす。) 2.ある種の条件Aをみたす単純群Gに対して、そのシロー2部分群Sと、Sを含む部分群X、Yで、条件(1)O_2(X)≠1≠O_2(Y)、(2)O_2(<X, Y>)=1、(3)ある種の条件B、をみたすものをみつける。 3.ある種の条件Aをみたす単純群Gに対して、2でみつけた部分群の組(X, S, Y)が、1で分類したどの「型」(同型類)に属するかにより、Gの同型類を分類する。引き続いて、条件Aが「標数2型」である場合に、上の段階2と3に関して研究を行っている。昨年度以前と比べての今年度の特徴は、単純群の構造を調べるためにそのプライムグラフの連結成分の構造を調べるという手法を取り入れたことである。それによって今年度新たに得られた成果は、素数2を含む連結成分ωに着目すること、および単純群のω局所部分群に着目することの重要性を発見したことである。それにより、これまでに開発してきた可解群のアマルガムを解析するための方法を、必ずしも可解ではない群のアマルガムにまで応用できる可能性が明らかになってきた。それらの一端がリストにあげた研究報告集に掲載されている。
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