研究課題/領域番号 |
10640045
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
遠藤 幹彦 立教大学, 理学部, 教授 (40062616)
|
研究分担者 |
佐藤 文広 立教大学, 理学部, 教授 (20120884)
木田 祐司 立教大学, 理学部, 教授 (30113939)
|
キーワード | p進積分 / 非アルキメデス的Hartogsの定理 / Stawskiの定理 / 解析性 / 線形外測度 / analytic element |
研究概要 |
拡張されたp-進積分を使って表示された関数の解析性を証明するのに、非アルキメデスデス的数体上でHartogsの定理が成り立てば都合がよいことは知られている。Stawskiは1965年にこの定理(以下Hartogs-Stawskiの定理という)を証明したが、証明に若干の齟齬があった。1983年Stawskiは、定義域が輸環領域であるようなanalytic elementにまでこの定理を拡張した。しかしこの証明にも、前の証明と同じ間違えがあった。すなはち、体Kの値群|K|^xが離散的な場合、関数の解析領域はStawskiのそれよりも狭くなければならない。 研究代表者は、体Kがp-進複素数体C^pの完備な部分体で、locally compactでないとき、特に値群|K|^xが離散的な場合について、解析関数についてのHartogs-Stawskiの定理に正しい証明をあたえた。証明の方針は特に真新しいものではないが、Stawskiの証明のうち線形外測度論を論理的にすっきりさた。また関数の解析領域を修正した。この証明は、体Kの値群が正の実数の乗法群R^x/+のdense subgroupの場合(Stawskiによる証明)の別証明にもなっている。またこの領域の外では定理が成り立たないような例も与えた。しかし、境界領域の上で解析性が成り立つかどうかは、今のところわかっていない。 現在、体KがC_pの部分体とはかぎらず一般の非アルキメデス的完備体の場合、また関数がanalytic elementの場合にも定理を拡張することを考慮中である。
|